マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ/西口 一希
こんにちは、あいしゃです。
若手やマーケティング初心者の方の支援や講師などをするようになって8年くらいでしょうか。年々マーケターを目指す人が増えているのを感じています。と同時に、データドリブンマーケティングを隠れ蓑にしたデータしか見ないユーザー不在のマーケティング活動(と呼ばれるPR活動)を行う機会に立ち会うことも多くなりました。その結果
「マーケティングって上手くいかないよね。」
とマーケティングオタクの私には悲しい声も聞くように。
マーケティングを学ぶ機会に恵まれてきた人たち。知識はあるはずなのになぜこうも上手くいかないのか。
そんな私の悩みに答えてくれる本を発見。
マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へは、今うまく行っていないマーケターにおすすめの一冊です。
こんな人におすすめ
- フレームワーク大好き!たくさん知っているけど、マーケティング活動がうまくいっていない方
- マーケティングを学んだけれど、何から手をつけていいかわからない方
- お客さまをターゲットと呼んでいる方
- マーケティングはデータ分析が全てです!の方
- デジタルマーケティングからキャリアを始めた方
内容
Amazonより引用。
内容
4P、3C分析、STP……ビジネスで使えていますか?
マーケティングを「学ぶ」と「できる」の間にある壁を越える
4P、3C分析、STP、SWOT分析、PEST分析……などなど、聞いたことはあるけれど、実際のビジネスで使えていますか?
もし使えていないと感じるならば、「学ぶ」と「できる」の間には壁があるからです。
「マーケティングの樹海」に迷い込んだ人に知ってほしいこと
なぜ、「学ぶ」と「できる」の間には壁があるのか。その1つに、まず「マーケティングを取り巻く世界」の問題があります。
◎初心者たちと著者との1年以上の対話から生まれた「マーケティングの樹海」を抜け出すためのコンパスとなる本
担当編集者ふくめて「マーケティングに学んだことはあるが実際のビジネスで使えない」と感じている初心者5人と著者の1年以上の対話からはじまり、その後、200人以上のマーケティング初心者・初学者との質疑応答をもとにしてできた本です。
ひと言で言うならば、「マーケティングの樹海」を抜け出すためのコンパスとなる本です
まず最初に、なぜマーケティングが難しくなっているか、その原因と現状を紐解きます。
次に、マーケティングが対象とすべきビジネスの原理原則を解き明かすことで「知識」を「知恵」へと変換していきます。
「マーケティングがつくりだすべき価値とは何か」「継続性のある価値とは何か」「価格競争に巻き込まれない価値とは何か」を説明します。
そして、ビジネスをその創出期の「0→1」段階、初期成長期の「1→10」段階,拡大期の「10→1000」段階という3つに分けて構造的に可視化することで、実践できるレベルに自然と思考が変わっていきます。
最後に、「ブランディングとは何か?」や「マーケターになるために必要なことは何か?」、さらに、みなさんのキャリアを充実させるためのヒントを解きます。
マーケティングを学んだ落とし穴
著者はP&Gやロート製薬、ロクシタンで実績を残してきたトップマーケター。マーケティング書籍も複数出されています。著者が本書を出すきっかけとなったのが、出版社の方から「マーケティング初心者向けの本を出したい」とメッセージがあったことからだそう。
学ぶほど 沼にハマるの マーケの世界
世の中にマーケティングに関する本はゴマンとあります。私はマーケティングを体系的に学んだことがなく、いつの間にかマーケターになっていたので後追いで答え合わせをするかのように、マーケティングの本を貪るように読みました。実践から入ったおかげで、その本たちに書かれていることの本質は全て『お客さまに価値を提供し続けましょう』ということだと理解することができました。
マーケティングの本質は本書にある
誰に(Who)どんなプロダクトを(What)届けて、価値を作るか考えるだけなんです。
本来How(どんな方法で)はWhoとWhatがなければ考えられないはずなのに、マーケティング関連の本やセミナーはどうもそちらに寄りがち。しかも、日々新しいツールなんかが出てくるから、覚えるのにいっぱいいっぱいになるか、トレンドを追うことが目的となり、最先端ぽいことをしていることが快感になる人もいる。
こうなったらもう結果の出ないマーケティング樹海へようこそです。
SEOもPRも広告もマーケティングの一部でしかない
みんな大好きSEO。副業系を調べているとWebマーケティングやSNSマーケティングの広告。どれもこれもマーケティングと言えばそうだけど、自身のプロダクト(商品やブログ記事などのコンテンツ)を利用することで、嬉しくなる人に届かなくては意味ない。
テクニックに寄った情報ばかりが発信されているから、マーケティングって謎?となるのは仕方のないことかもしれません。
データは根拠でしかない
マーケティングが一般的になり、個人にまで浸透していったのはデジタルの力が大きいのではないかと思っています。企業がホームページを持つようになり、そのホームページの効果を計測できる無償のツールGoogle Analyticsの登場により、自社のマーケティング活動にデータが一気に使われるようになってきました。
今まで見えなかったユーザーの行動を数値で見ることできる。自社のサイトに訪れていないユーザーニーズが(なんとなく)わかるSEOを学んだときに私はWebマーケティングの虜になりました。
求人もGoogle Analytics使用経験がある人歓迎、SEO経験者(←今思うとナニコレ?w)歓迎などが増えてきたのを覚えています。
Web(デジタル)マーケター需要が高まりどうなったか。顧客の声に耳を傾けないマーケターと呼ばれる人が増えました。
「データによると〜・・・」
「分析の結果〜・・・」
嘆かわしい。本来仮説を立て、データ分析をし、修正していくという泥臭いプロセスが軽視されるようになった気がします。その理由は、今、現役でいらっしゃる偉い方に経験者が不足している、もしくは、データがそういっているからという風潮(ある意味他責)があるからでしょう。
データは結果論であって、スタートはお客さまなのです。
実例!WhoとWhatだけ考えたらうまくいった話し
本書を読んで早速、マーケター1年生と2年生にWhoとWhatを集中して徹底的に考えることを実践してもらいました。
5W1Hを封印することで、企画の精度があがった
1年生は勉強とフレームワークが大好きで、企画やアクションプランまで時間をかけてやるのですが、実行力が乏しいタイプ。また、結果が出ないためデータを都合よく解釈する癖がありました。
そこで、大好きなフレームワーク5W1Hを封印し、2Wだけをやってもらうことに。その結果、お客さまの課題に集中することができ、企画からコンテンツの質が上がりました。
お客さまが見えているので、どこでどのようにアプローするかも明確。即cv(コンバージョン)につなげることができました。(デジタルはこういうところがいいですね)
ユーザー視点の企画で過去イチの予算を確保
大学でマーケティングを学んできた2年生。1年生時代は学んだことと現場のギャップに悩みもしていましたが、ユーザー視点に立つことができていました。しかし、慣れてくるにつれ会社よりの考え方にシフト。その結果、課長クラスが決算できるくらいのルーティン企画のみ。
マーケの仕事がつまらないと感じ始めていたとき、会社でやったことない規模のイベント開催情報が入ってきました。詳細を見てみると、その頃手掛けていた新事業を顧客へアプローチするのにマッチしている。
そこで、そのイベントに出るための企画書を作ることにしました。最初は『刺激的で大きな仕事がしたい!』が先行してしまっていましたが、
この課題を抱えている方(Who)は、
当社のプロダクト(What)を使うことによって、問題解決することができる。
そのためにはこのイベント(How)に出すことが必要だ
と徹底的に考えまとめました。その結果、するすると承認がおり、その企業で過去最大のイベント予算確保をすることができました。
どちらも熟練マーケターではなく、若手マーケターです。1年生に限っては見習いと言ってもいいくらい。それでも、徹底的な顧客視点に経つことで、1ヶ月もかからず成功を得たのです。
マーケターを目指す全ての人に読んでほしい本
私は本書を読んで、ユーザー視点に立てない新人マーケターの気持ちを理解することができました。同時にWhoとWhatを考えることが、もっとも重要だとあらためて感じた。
今後も◯◯マーケティングやら▲▲戦略というワードがたくさん出てくることでしょう。しかし、どんなに新しい手法を学んでも、お客さま(ユーザー)がプロダクトの価値を認めてくれなければナイも一緒です。
マーケティングの樹海に迷い込んでしまった方
その方たちを樹海から助け出したい熟練マーケター
本書はマーケティング初心者向けとなっていますが、お客さま(ユーザー)を想う人たちに読んでもらいたい本です。