ミス・パーフェクトが行く! /横関 大
こんにちは、あいしゃです。
働く女性、特にキャリアウーマンを描いた本やドラマが好きです。その中でも、少しファンタジーと言いますか、リアリティに欠ける設定でありえないくらい仕事ができる女性が主役のものがいい。
その理由は、自分が働き女子だから。中途半端なITやWeb業界を描いたものだと、
「それはないでしょうー」
「ここはリアルだな」
と業務内容にツッコミを入れたくなって話しに集中ができなくなってしまうのです。
その点、今回読んだミス・パーフェクトが行く!は働き女子にとって完璧な作品でございました。
内容
主人公の真波莉子は東大出身の、厚生労働省キャリア官僚のアラサー。そして、内閣総理大臣の隠し子。第一話でその出自が週刊誌のすっぱ抜かれ、あっさり厚生労働省を辞めてしまいます。
Amazonより
進むところ、問題はあれど、敵はなし。
「その問題、私が解決させていただきます」この女、何者?!『ルパンの娘』(ドラマ化、映画化)、『K2』(ドラマ化)の著者による、世直しエンタメ。
前代未聞、全知全能、自由自在。ミス・パーフェクトの問題集……全問正解なるか?!
真波莉子は厚生労働省雇用環境・均等局総務課に所属している。いわゆるキャリア官僚だ。
第一問 某政治家の炎上発言を収束させなさい。
第二問 某ファミレスの売り上げワーストワンの店舗を何とかしなさい。
第三問 某航空会社の客室乗務員のセカンドキャリアについて考えなさい。
第四問 赤字経営が続く某市立病院の経営を立て直しなさい。
炎上霞ヶ関→売り上げ最下位ファミレス→リストラ航空会社→赤字病院。進むところ、問題あれど、敵はなし!
愛すべきミス・パーフェクト
主人公莉子は、東大出身のキャリア官僚で、麻雀が趣味の総理の隠し子。しかも美人。何でもそつなくこなす彼女についたあだ名は『何でも屋』。これだけで見ると氷の女。鉄仮面なんて言葉を思い浮かべてしまうのですが、結構人間味がある女性です。
退官後、学生時代に通っていたファミレスで突然アルバイトをはじめたり、航空会社のCAのセカンドキャリアを考えるために、自らCAになったりとありえないくらいの行動派で、人をよく見てその心に寄り添うことで、課題の本質を見極め解決する。
著者が男性のせいか、ビジュアルの描写が少ないので具体的イメージが浮かばない。しかし、そのおかげで想像は膨らみ、ミス・パーフェクトは私の中でどんどん愛らしい女性になっていきました。
しかし、表紙のリクルートスーツみたいな写真はいただけない。キャリア官僚の女性ってこんなんじゃないですよね?
ミス・パーフェクトが行く キャスティングするなら?
ドラマ化狙ってますよね?と、読んでいて俳優さんの顔が浮かんでくる本作品。流行りの俳優さんを知らない私が勝手にキャスティングしてみるとこんな感じになりました。
真波莉子:有村架純
一番に頭に浮かんだのは綾瀬はるかさんなのですが、設定が29歳のためちょっとはずれててしまうのです。なので、有村架純さん。自分も含めて丸顔って幼く見え知的な役は向かない(失礼!)ように感じるのですが、落ち着いた声のトーンや、ラブコメ系のイメージがついていないので良いかなと。
城島真司:坂口憲二
城島はバツイチで小学三年生の愛梨と二人暮らし。莉子との年の差ロマンスを考えるとビジュアルが良くないといけない。そこで最近ドラマ復活された坂口憲二さんに。
綾瀬はるかさんが莉子だったら西島秀俊さん一択だったのですが、原作とかなりの年齢差になってしまうのでこのチョイスです。
栗林内閣総理大臣:利重剛(りじゅう ごう)
安倍元総理と小泉元総理を足して2で割ったようなイメージの栗林内閣総理大臣は人たらしでどことなく頼りない感じ。利重さんが総理をやっているドラマを見ているせいか、読みながら顔が浮かんで離れなかった。
その他にも、パーティ好きな総理の妻や莉子の麻雀仲間の元国会議員など、個性あふれるキャラクターがたくさん。各話ごとに出てくる登場人物も「この俳優さんぽいな」としっかりキャラ立ちしていて、今どきのドラマにぴったりの作品でした。
感想まとめ
コロナ禍で執筆された、現代社会が抱える課題をミス・パーフェクトがバサッと解決してくれる本作品。テンポよく、何も考えずに気持ちよく読める一冊でした。続編の闘え!ミス・パーフェクトも読みたいと思います。