影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか/ロバート・B・チャルディーニ、 社会行動研究会
こんにちは、あいしゃです。
連日の詐欺事件や宗教法人のニュースを見ていて、気になっていた本影響力の武器を購入しました。
なぜ詐欺のニュースを見てこの本なのか?
それは、本書には古くからあり、且つ、廃れない詐欺師の基本の手口がふんだんに詰まっているからです。逆に言うと、読むことで詐欺に合うリスクが減る可能性があります。
人に与える影響力。本書を読んだ感想をおひとりさま女子の視点からまとめます。
こんな人におすすめ
- 詐欺師になりたい人
- 詐欺に合いたくない人
- 行動経済学に興味がある人
- 企業のPRや店頭セールスでついついいらないものを購入した経験がある人
- 人に影響力を与えたいと思っている人
492ページとボリュームのある本書。和訳独特の読みづらさは若干ありましたが、実例がふんだんに盛り込まれていて今すぐ役立つノウハウがいっぱいでした。
内容
Amazonより引用。
内容(「BOOK」データベースより)
セールスマン、募金勧誘者、広告主など承諾誘導のプロの世界に潜入。彼らのテクニックや方略から「承諾」についての人間心理のメカニズムを解明。情報の氾濫する現代生活で、だまされない賢い消費者になると共に、プロの手口から人を説得するやり方を学ぶ。
著者について
チャルディーニ,ロバート・B.
アリゾナ州立大学心理学部名誉教授。米国を代表する社会心理学者の一人であり、社会的影響過程、援助行動、社会的規範などに関する数多くの業績で学界をリードしてきた。ウィスコンシン大学、ノースカロライナ大学、コロンビア大学で心理学を学んだ。ミルウォーキーに生まれ、さらにイタリア系一家の子どもとして育った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
騙す人が使っている手口
何を隠そう、私も著者同様たくさんに騙されてきました。小さなところで新聞の勧誘や、浄水器の訪問販売、有名大学卒の起業家によるセミナーなどなど(良いものもたくさんありますよ!)。
そして、エステのカウンセラー(と言う名のセールスレディ)、セールスライターをしていたときは、影響力の武器を意識せずに使用していました。
さんざん騙され、人によったら騙された!と言われるトークやライティングで収入を得ていた私が本書で思わず何度も頷いたテクニックをご紹介します。
今なら初回無料!初回に限り!は要注意
この手の本が好きな方なら一度は聞いたことがある返報性のルール。これは昔からある抜群の威力を持つ武器です。
小さい頃、お誕生日会に呼んでくれたお友達はあんまり仲良くなくても自分とときも呼ばないといけない。
大人になってからは、旅行のお土産をもらったら自分も返さないと・・・
会社に入ると、前回はAさんが飲み会の幹事をしてくれたから、次は私がやらないと・・・
このように、何かしてもらったら返さないといけない暗黙のルールが返報性のルールです。
善意で行われている場合もたくさんあるので、それ自体は悪いことではないのですが、これを武器として使ってくる人には要注意です。
エステやホストクラブだと初回無料。先にタダでサービスを提供し後で回収するパターンです。
店頭の試食販売もこれに当たりますね。
白衣を見たら要注意
化粧品や消臭剤、洗剤のCMで白衣を着た人を見ると「何だか効果がありそう?」って思ったりしませんか?それ、完全に権威という武器にやられています。
医師の象徴である白衣を着ることによって、その商品がとても良いものであるように感じてしまうんです。
私は昔、某化粧品会社のホワイトニングラインのプロモーションを担当しておりましたが、消費者に事実誤認をさせる可能性があるため、白衣を着た人物を出すことは規定でNGでした。そのくらい白衣の威力って強いのです。
権威の影響力でいうと、有名大学教授や、弁護士、警察官などもあげられます。そう言った肩書を全面に出してくるような広告や、セミナーに出くわしたら「内容とこの肩書とこの人の実績ってちゃんとリンクしている?」と疑ったほうがいいかもしれません。
今日だけ限定!の罠
ラスト1点!限定○個!など、希少性を煽るものもよく見ますね。通販番組やECサイトでこのような文字が踊るのは、急いで買わなくては!という消費者の判断能力を鈍らせるためです。
特に女性にはよく効くらしい・・・。
エステティシャン時代
女性は家に帰ると冷静になって、チケットを買わなくなるから特別なお客様に今日だけ限定の価格だと言って売れ!
と指導を受けていました。しかし、企業は商品が売れないと存続できないわけです。エステなどのサービスはほとんどが人件費なのでいつでも割引は出来ますし、コースの改変はあってもそのもの自体はなくなることはありません。買うそぶりをちらつかせれば、割引することがほとんどです。怖い世界・・・、
まとめ 影響力の武器は諸刃の剣である
本書に紹介されている武器の数々は、どれも見に覚えがあるものでした。大人のおひとりさまば、防御力が高い人が多いと思います。しかし、その3枚上手を行くのが詐欺師です。実際本書の中にも、影響力の武器を読んで、その手口を知っていたはずなのに騙されましたという体験談が出てきます。
逆に、副業でWebライターやセミナー講師、コンサルタントの方が身につければ強い武器になるでしょう。
自分が騙されないために、自分の持つ力を伝えるために本書は役に立ちますよ。