こんにちは、あいしゃです。
猫と暮らし始めてから、猫を題材にしたエッセイや小説を読むようになりました。今回ご紹介するのは、図書館で見つけた群 ようこ著、ネコと昼寝―れんげ荘物語です。
猫とのんびり暮す生活を描いた作品だと勝手に想像していたのですが、猫少なめ。しかし、バリバリ働いていたアラフィフ(気がつけばアラフォーじゃなくなっていた)、ワケあっておひとりさまの私には心に沁みる一冊となりました。
内容
内容(「BOOK」データベースより)
キョウコは、都内のふるい安アパート「れんげ荘」で相変わらず自由なひとり暮らし。読書をしたり、美術館や図書館へ行ったり、隣のクマガイさんとおしゃべりしたり、近所のネコと仲良くお昼寝したり…。自分の将来のことなど、少々心配なことはあるけれど、心穏やかにキョウコの「れんげ荘」暮らしはつづく―
ネコというワードに反応して借りてきましたがこれはシリーズ物なんですね。なんとなく尻切れトンボだったのはそのせいかも知れません。
中年女の心に沁みた言葉
中年以降はね、中身が全部顔に出るから、暗いことはなるべく考えないこと。そうしないとばあさんになったとき悲惨よ。————
れんげ荘に住む、元水商売のクマガイさんの言葉。
若いときはキレイとかカワイイってDNAによるものが大きかったように思えます。しかし、40歳を過ぎたあたりから、今の幸福度とか性格や生活が顔に出るようになる。
昔はキレイだった人ではなく、今も変わらずいい顔している人になりたいものです。
幸せのカタチは人それぞれ
主人公のキョウコは元大手企業に務めるバリキャリ。女性管理職がほぼいない時代に男性社員に足を引っ張られたりしながら働いてきた。当時はよいマンションに住んで、自分へのご褒美とブランド物のバッグや靴などをたくさん買ってきたのでしょう。
他人から見たら何不自由のない生活。憧れのキャリアウーマンでも本人にとっては・・・。
私にはまだ、質素に暮せば一生食べていける蓄えはないけれど、共同トイレでクーラーもないれんげ荘で貯金を食いつぶす生活を選んだ主人公の気持ちが少しわかる気がします。
感想まとめ
本書に出てくるネコは、近所の半家猫のぶちお(本名アンディ)。ちょっぴりしか現れないけれど、それがまた猫だよねーという描写になっていて、何とも愛らしい。
ネコ中心の作品ではないですが、アクセントになっていてほっこりする、疲れた大人女子におすすめの一冊でした。
文庫本のデザインはだいぶ印象が違いますね。