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雑記帳

傲慢と善良/辻村 深月

傲慢と善良
hitorijikan

こんにちは、あいしゃです。

辻村 深月著『傲慢と善良』と最初に出会ったのは、時間つぶしに入った駅ナカの本屋でした。主人公であろう表紙のイラストもパラパラっと読んだ書き出しもあまり好きではなくて、そのときは棚に戻しました。

数週間後入った本屋でこの表紙のイラストと目が合う。気になる。最近小説も読んでないし、人気の小説だろうから読んでみようとネットで購入しました。

感想は、ミステリとはなんぞや?そして、アラフォーの私には少し遅すぎた。

結婚適齢期って今あるのか知りませんが、適齢期をちょっぴり過ぎて焦っている人、婚活が上手くいっていない女子におすすめの本でした。

解説

本書裏表紙より引用。

婚約者・坂庭真美が忽然と姿をした。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。
彼女は、なぜ姿を消したのか。浮かび上がる現代社会の生きづらさの根源。圧倒的な支持を集めた恋愛ミステリの傑作が、遂に文庫化。
<<解説・浅井リョウ>>

第一部 私が女性主人公、真美を嫌いな理由

以下、ネタバレを含みます。

本書は二部構成になっています。

一部はストーカーにあっているという、失踪した婚約者真美を探す架編。

架が婚活で知り合った真美は誰もが「いい子」としか表現しない真面目な子。二人は結婚を目的に知り合ったはずなのに、2年もダラダラと付き合っている。その理由は真美はいい子だけど決め手にかけたから。

結婚したくたまらない真美は、ストーカーに遭ってる。家に侵入された。と婚約者の架に一世一代の嘘をつき、同棲を始めプロポーズをさせる。ってまぁ、付き合っているのにプロポーズしてもらえない女子が、相手に心配させたりカマかけたりってよくあることなので、何とも思わないのだけど、架目線で見ていくとモヤモヤいらいらするのです。

本文内にもあるのですが、真美は自己評価が低いくせに自己愛が強い。どうせ私なんかって言いながら、お見合いした相手は自分に見合わないと断ったりと傲慢。

しかし、男性が「私なんか・・・」ってうつむく女子を見たら

そんなことないよ!謙虚!なんていい子なんだ!

ってなるのですわ。女から見るとそれがまあイライラする。しかし、女なら誰でも持っている本質。自分自身も身に覚えがあるので余計に真美のことが好きになれない。

本書が二部構成でなく、一部の最後に、架の女友達によってが真美の本性が架に伝わらなかったらそこで読むのをやめていたと思います。

第二部 被災地で見つけた本当の自分

真美目線で描かれている二部。

偶然飲み屋で会った架の女友達にストーカーがいないことを見破られ、おまけに架が真美は70点と言っていた(本当は違う)と聞き、姿を消した真美。実家に帰ろうと群馬(真美の実家)まで行ったが思い止まり、被災地のボランティアへ行くことに。(ざっくり)

被災地ボランティアでの出会いと経験が、ずっと人任せで大人になりきれていなかった真美を成長させます。

ずっと音信不通になっていた架に連絡し、被災地に呼び出しハッピーエンド。

架の前から姿を消したあとの真美は、本当に自分のことしか考えてないお子様で気持ちいいくらい嫌な感じ。一部で

架!真美はそんなに純粋で良い子じゃないよ!

ってイライラしていた私の気持ちを回収してくれました。

感想まとめ

私は今まで小説を読んでいると時間を忘れるタイプでした。しかし、本書を読了するのにずいぶん時間がかかった。その理由は今の自分が共感できない内容だったからだと思います。

逆に言うと、本書の人気の理由は共感と格言にあるのではないかと考えます。

婚活が上手くいかない理由を、結婚相談所のおばさんが絶妙な言葉で教えてくれます。
都会ではない街に住む人たちの人間関係、コミュニティ、親の干渉がとてもリアルに描かれているのだと思います。

婚活経験も親の干渉も、地方のコミュニティも知らないアラフォーの私には理解ができない部分が多い作品でした。

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ayuco
アラフィフ独身ライフを楽しむ管理人です。
1958年式のビートル青カブトと猫のエド様をこよなく愛しています。
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